最終更新:2026年9月10日
このページの立場
本ページは、CLOVA Noteおよび後継サービスの公式サイトに公表されている情報を引用・整理したものです。優劣を比較するものではなく、公式に確認できない仕様やセキュリティ上の問題を推測で書くことはしていません。確認できなかった項目は「確認できませんでした」と明記しています。記載は最終更新時点のもので、提供元の仕様や規約は変更されることがあります。判断の前に必ず提供元の公式サイトの最新の記載をご確認ください。CLOVA Noteおよび後継のLINE WORKS AiNoteは LINE WORKS Corp. の提供するサービスです。
前提:CLOVA Noteβは終了している
安全性を検討する前に、事実を1つ確認しておく必要があります。CLOVA Noteの公式サイトには、次の告知が掲示されています。
2025年7月31日(木)をもってCLOVA Noteβのサービスを終了いたしました。(中略)今後は正式版としてリリースされたLINE WORKS AiNoteをご利用ください。
つまり、これから「CLOVA Noteを業務で使ってよいか」を検討する場合、実際の検討対象は後継のLINE WORKS AiNoteになります。以下はその前提で整理します。
なお、旧サービスの終了にともなうデータの取り扱いについては、公式サイトの告知ページでは確認できませんでした。過去に預けたデータの扱いを確認したい場合は、提供元の窓口へ直接お問い合わせください。
後継サービスで音声はどこへ行くのか
クラウド型の文字起こしサービスは、音声を事業者のサーバーへ送って処理します。これは欠陥ではなく設計です。サーバー側の計算資源を使うから、Web会議の録音、話者の自動識別、リンクによる共有、全文検索といった機能がまとめて成立します。代わりに、音声が端末の外に出るという事実が必ず伴います。
そのため、確認すべきことは3つに絞られます。
- 学習に使われるか(使われるとしたらどのプランで)
- どのくらいの期間、どこに残るか
- そもそも外に出してよい音声か(自社の規程・守秘義務の側の問題)
1と2は公表情報で確認できます。3だけは、どのサービスを選んでも自分で判断するしかありません。リスクの所在そのものの整理は文字起こしセキュリティガイドにまとめています。
公式サイトで確認できたこと
以下は、LINE WORKS AiNoteの公式サイトに記載されている内容です。要約はしていますが、意味を変えないようにしています。出典は各行のリンク先です。
| 項目 | 公式サイトの記載 | 出典 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 「累計登録者100万人の『CLOVA Noteβ』の法人版として、満を持して登場」と記載されています。提供元は LINE WORKS Corp. です。 | 製品ページ |
| 有償プランの学習利用 | 「文字起こしした内容はAIの学習データとして利用しません。機密性が高い会議にも安心してご利用可能です。(有償プランのみ)」と記載。料金表にも各プラン共通で「データの学習利用:学習利用なし」と記載されています。 | 製品ページ |
| フリープランの学習利用 | 「本サービスのフリープランをご利用の際は、エクスペリエンス向上及び当社のAI技術(※音声認識技術及び自然言語処理技術)の性能向上のために、当社に提供した録音した音声データを利用する場合があることに同意の上ご利用ください」と記載(2025年1月20日改定)。 | 音声データ活用について |
| 学習に使う場合の扱い | 同ページには「AI技術の品質向上及びAI技術の研究以外の目的では音声データ等を利用しません」「提供いただいた音声データ等は、お客様又はユーザーのIDとの紐付けが削除されます」「最小限のデータに分割して管理し、分割の際にはそれぞれの関係性も排斥しています」とも記載されています。 | 音声データ活用について |
| データの保管期間 | 料金表に、チーム・ビジネス・エンタープライズの各プランについて「データの保管期間:5年間」と記載されています。 | 製品ページ(料金) |
| 第三者認証 | 「ISO / IEC 27001, 27017, 27018, 27701, SOC2 / SOC3 取得済み」と記載されています。 | 製品ページ |
| 管理・セキュリティ機能 | パスワード/ログインポリシー、2段階認証、管理者権限、ネットワーク管理、シングルサインオン、監査・ログ、モバイルアプリ向けの機能制限(スクリーンショット管理、ファイルのアップロード/ダウンロード制限など)が挙げられています。 | 製品ページ |
| 料金 | チーム 19,800円/月、ビジネス 54,000円/月、エンタープライズ 162,000円/月(いずれも年額契約時、表示は税抜)と記載。利用人数は無制限、文字起こし時間は組織内で共有する形と説明されています。 | 製品ページ(料金) |
※ 上表は最終更新時点で公式サイトに掲載されていた記載にもとづく整理です。金額・プラン構成・機能の提供状況は変更されることがあります。
無料で使い続けたい人が最初に読むべき条文
CLOVA Noteを使っていた方の多くは、無料で手軽に使えることを理由に選んでいたはずです。そして、後継サービスで扱いがいちばん分かれるのがここです。
公式に掲示されている「サービス向上のための音声データ活用について」はフリープラン向けの文書で、フリープランの利用時はAI技術の性能向上のために録音した音声データを利用する場合があることに同意のうえ利用する、という構成になっています。一方、有償プランの料金表には各プランに「学習利用なし」と明記されています。
ここから読み取れる実務上の要点は1つです。
「このサービスは学習に使うのか」という問いには、プランを特定しないと答えが出ない。無料で試したときの条件と、法人契約後の条件は同じとは限りません。これはCLOVA Noteに固有の話ではなく、クラウド型サービス全般に共通する構造です。
確認の手順はシンプルです。
- 自分(自社)が実際に使うプラン名を確定する。
- そのプランについて、学習利用の有無と保管期間を規約の条文で確認する。読み取れなければ提供元に問い合わせる。
- 回答を文書で残す。稟議・監査で必要になるのは口頭の説明ではなく記録です。
クラウド型を使う前に確認すべき項目の一覧はセキュリティガイドの7項目にまとめています。
公式サイトでは確認できなかったこと
導入審査でよく問われるのに、公式の製品ページ上で明確な記載を確認できなかった項目です。「書かれていない=問題がある」ではありません。資料請求や問い合わせ窓口で案内している可能性があります。
- サーバーの所在地:製品ページでは確認できませんでした。越境移転の観点を審査で問われる場合は、事前に確認が必要です。
- フリープランのデータ保管期間:料金表に記載があるのは有償プランについてです。
- 解約後・契約終了後のデータの取り扱い:製品ページでは確認できませんでした。
- 旧CLOVA Noteβに保存されていたデータの現在の扱い:終了告知のページでは確認できませんでした。
そのまま使って問題ない条件
次のすべてに当てはまるなら、クラウド型を使い続けることに合理性があります。無理に方式を変える必要はありません。
- 音声の内容が、外部の事業者に預けても差し支えない:社内定例、勉強会、公開前提の講演録、自分用のメモなど。
- 社内規程で、業務データの外部サービス利用が許可されている(あるいは申請して承認が取れる)。
- 要配慮個人情報や、法律上の守秘義務がかかる会話を含まない。
- 自分のプランの学習利用の扱いを確認済みで、その条件を受け入れられる。
- 文書管理規程の保存年限と、サービス側の保管期間が矛盾しない。
- リンク共有の公開範囲を管理する運用がある。
この条件下では、話者の自動識別や組織単位での共有・管理といったクラウド型の利点がそのまま効きます。安全性を理由に乗り換える必然性はありません。
手元で処理する選択肢を検討したい条件
逆に、次のいずれかに当てはまるなら、暗号化や認証の水準にかかわらず「外部送信そのものが認められない」ため、端末内で完結する方式を選択肢に入れる価値があります。
- 社内規程・契約で、音声や議事録の外部送信が禁止されている:クラウド利用が原則禁止の情報システム部門管轄、官公庁・金融・製造の一部の現場など。
- 法律上の守秘義務がある会話を扱う:弁護士・司法書士・税理士などの相談記録、医師の診療内容。
- 要配慮個人情報を含む:病歴、障害、犯罪被害の事実など。取得段階から慎重な扱いが必要です。
- 無料のまま使いたいが、学習利用に同意したくない:この条件は、クラウド型の無償プランでは両立しないことがあります。
- データを事業者側に残したくない:保管期間が長いこと自体が規程に抵触する場合があります。
- ネットワークが遮断された環境で使う必要がある:閉域網の端末、持ち出し用のノートPCなど。
ここで重要なのは、これは優劣の話ではないということです。「対策を講じている」ことと「そもそも該当しない」ことは、監査に対する説明の性質が違うだけです。前者で通る組織もあれば、後者しか通らない組織もあります。
また、文字起こしを端末内で行っても、要約だけクラウドの生成AIに貼り付けると、そこで本文が外に出ます。ここは見落とされやすい経路です(ローカルAI要約ガイド)。
端末内で完結させる場合の選択肢
「手元で処理する」を選ぶ場合、選択肢は大きく2つです。オープンソースの音声認識を自分で環境構築して動かすか、それを組み込んだソフトを使うか。前者の手順と必要なものはローカル文字起こしガイドにまとめています。
当サイトで提供している「完全ローカル文字起こし」は後者にあたるWindows向けソフトです。事実関係のみ記載します。
- 音声・録音・テキスト・要約結果を外部に一切送信しません。ネットワーク未接続でも全機能が動作します。
- インストール不要(ZIPを展開するだけ)。管理者権限を必要としません。
- mp3 / wav / m4a / mp4 / mov など24のファイル形式、96言語に対応。
- 個人利用は無料。商用・法人利用は月額500円(税込)/年額5,000円(税込)、買い切り(永続ライセンス)は1ライセンス15,000円(税込)。導入検証は2週間無料、インボイス(適格請求書)に対応しています。

情報システム部門への申請に使える回答例(送信先・保管場所・学習利用・オフライン動作など)はセキュリティガイドの審査項目に、法人での導入条件は法人向けページにまとめています。
よくある質問
※ 本記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。具体的な事案については、自社の法務部門や弁護士など専門家にご相談ください。他社サービスの仕様・料金・規約は、当該提供元の公式情報が優先します。