CLOVA Noteの安全性を、公式情報で確認する

CLOVA Noteβは2025年7月31日でサービスを終了し、案内先は後継サービスに変わりました。ここでは公表されている情報だけを使い、音声がどこへ行き、どう扱われるかを整理します。

最終更新:2026年9月10日

このページの立場

本ページは、CLOVA Noteおよび後継サービスの公式サイトに公表されている情報を引用・整理したものです。優劣を比較するものではなく、公式に確認できない仕様やセキュリティ上の問題を推測で書くことはしていません。確認できなかった項目は「確認できませんでした」と明記しています。記載は最終更新時点のもので、提供元の仕様や規約は変更されることがあります。判断の前に必ず提供元の公式サイトの最新の記載をご確認ください。CLOVA Noteおよび後継のLINE WORKS AiNoteは LINE WORKS Corp. の提供するサービスです。

前提:CLOVA Noteβは終了している

安全性を検討する前に、事実を1つ確認しておく必要があります。CLOVA Noteの公式サイトには、次の告知が掲示されています。

2025年7月31日(木)をもってCLOVA Noteβのサービスを終了いたしました。(中略)今後は正式版としてリリースされたLINE WORKS AiNoteをご利用ください。

つまり、これから「CLOVA Noteを業務で使ってよいか」を検討する場合、実際の検討対象は後継のLINE WORKS AiNoteになります。以下はその前提で整理します。

なお、旧サービスの終了にともなうデータの取り扱いについては、公式サイトの告知ページでは確認できませんでした。過去に預けたデータの扱いを確認したい場合は、提供元の窓口へ直接お問い合わせください。

後継サービスで音声はどこへ行くのか

クラウド型の文字起こしサービスは、音声を事業者のサーバーへ送って処理します。これは欠陥ではなく設計です。サーバー側の計算資源を使うから、Web会議の録音、話者の自動識別、リンクによる共有、全文検索といった機能がまとめて成立します。代わりに、音声が端末の外に出るという事実が必ず伴います。

そのため、確認すべきことは3つに絞られます。

  1. 学習に使われるか(使われるとしたらどのプランで)
  2. どのくらいの期間、どこに残るか
  3. そもそも外に出してよい音声か(自社の規程・守秘義務の側の問題)

1と2は公表情報で確認できます。3だけは、どのサービスを選んでも自分で判断するしかありません。リスクの所在そのものの整理は文字起こしセキュリティガイドにまとめています。

公式サイトで確認できたこと

以下は、LINE WORKS AiNoteの公式サイトに記載されている内容です。要約はしていますが、意味を変えないようにしています。出典は各行のリンク先です。

項目公式サイトの記載出典
位置づけ 「累計登録者100万人の『CLOVA Noteβ』の法人版として、満を持して登場」と記載されています。提供元は LINE WORKS Corp. です。 製品ページ
有償プランの学習利用 「文字起こしした内容はAIの学習データとして利用しません。機密性が高い会議にも安心してご利用可能です。(有償プランのみ)」と記載。料金表にも各プラン共通で「データの学習利用:学習利用なし」と記載されています。 製品ページ
フリープランの学習利用 「本サービスのフリープランをご利用の際は、エクスペリエンス向上及び当社のAI技術(※音声認識技術及び自然言語処理技術)の性能向上のために、当社に提供した録音した音声データを利用する場合があることに同意の上ご利用ください」と記載(2025年1月20日改定)。 音声データ活用について
学習に使う場合の扱い 同ページには「AI技術の品質向上及びAI技術の研究以外の目的では音声データ等を利用しません」「提供いただいた音声データ等は、お客様又はユーザーのIDとの紐付けが削除されます」「最小限のデータに分割して管理し、分割の際にはそれぞれの関係性も排斥しています」とも記載されています。 音声データ活用について
データの保管期間 料金表に、チーム・ビジネス・エンタープライズの各プランについて「データの保管期間:5年間」と記載されています。 製品ページ(料金)
第三者認証 「ISO / IEC 27001, 27017, 27018, 27701, SOC2 / SOC3 取得済み」と記載されています。 製品ページ
管理・セキュリティ機能 パスワード/ログインポリシー、2段階認証、管理者権限、ネットワーク管理、シングルサインオン、監査・ログ、モバイルアプリ向けの機能制限(スクリーンショット管理、ファイルのアップロード/ダウンロード制限など)が挙げられています。 製品ページ
料金 チーム 19,800円/月、ビジネス 54,000円/月、エンタープライズ 162,000円/月(いずれも年額契約時、表示は税抜)と記載。利用人数は無制限、文字起こし時間は組織内で共有する形と説明されています。 製品ページ(料金)

※ 上表は最終更新時点で公式サイトに掲載されていた記載にもとづく整理です。金額・プラン構成・機能の提供状況は変更されることがあります。

無料で使い続けたい人が最初に読むべき条文

CLOVA Noteを使っていた方の多くは、無料で手軽に使えることを理由に選んでいたはずです。そして、後継サービスで扱いがいちばん分かれるのがここです。

公式に掲示されている「サービス向上のための音声データ活用について」はフリープラン向けの文書で、フリープランの利用時はAI技術の性能向上のために録音した音声データを利用する場合があることに同意のうえ利用する、という構成になっています。一方、有償プランの料金表には各プランに「学習利用なし」と明記されています。

ここから読み取れる実務上の要点は1つです。

「このサービスは学習に使うのか」という問いには、プランを特定しないと答えが出ない。無料で試したときの条件と、法人契約後の条件は同じとは限りません。これはCLOVA Noteに固有の話ではなく、クラウド型サービス全般に共通する構造です。

確認の手順はシンプルです。

  1. 自分(自社)が実際に使うプラン名を確定する。
  2. そのプランについて、学習利用の有無と保管期間を規約の条文で確認する。読み取れなければ提供元に問い合わせる。
  3. 回答を文書で残す。稟議・監査で必要になるのは口頭の説明ではなく記録です。

クラウド型を使う前に確認すべき項目の一覧はセキュリティガイドの7項目にまとめています。

公式サイトでは確認できなかったこと

導入審査でよく問われるのに、公式の製品ページ上で明確な記載を確認できなかった項目です。「書かれていない=問題がある」ではありません。資料請求や問い合わせ窓口で案内している可能性があります。

そのまま使って問題ない条件

次のすべてに当てはまるなら、クラウド型を使い続けることに合理性があります。無理に方式を変える必要はありません。

この条件下では、話者の自動識別や組織単位での共有・管理といったクラウド型の利点がそのまま効きます。安全性を理由に乗り換える必然性はありません。

手元で処理する選択肢を検討したい条件

逆に、次のいずれかに当てはまるなら、暗号化や認証の水準にかかわらず「外部送信そのものが認められない」ため、端末内で完結する方式を選択肢に入れる価値があります。

ここで重要なのは、これは優劣の話ではないということです。「対策を講じている」ことと「そもそも該当しない」ことは、監査に対する説明の性質が違うだけです。前者で通る組織もあれば、後者しか通らない組織もあります。

また、文字起こしを端末内で行っても、要約だけクラウドの生成AIに貼り付けると、そこで本文が外に出ます。ここは見落とされやすい経路です(ローカルAI要約ガイド)。

端末内で完結させる場合の選択肢

「手元で処理する」を選ぶ場合、選択肢は大きく2つです。オープンソースの音声認識を自分で環境構築して動かすか、それを組み込んだソフトを使うか。前者の手順と必要なものはローカル文字起こしガイドにまとめています。

当サイトで提供している「完全ローカル文字起こし」は後者にあたるWindows向けソフトです。事実関係のみ記載します。

音声ファイルをPC内だけで文字起こしし、結果を一覧・検索できるソフトのメイン画面
録音・文字起こし・要約をすべてPC内で完結させる例(完全ローカル文字起こし)

情報システム部門への申請に使える回答例(送信先・保管場所・学習利用・オフライン動作など)はセキュリティガイドの審査項目に、法人での導入条件は法人向けページにまとめています。

よくある質問

CLOVA Noteの公式サイトには「2025年7月31日(木)をもってCLOVA Noteβのサービスを終了いたしました」と掲示されており、今後は正式版としてリリースされたLINE WORKS AiNoteを利用するよう案内されています。したがって、これから「CLOVA Noteの安全性」を検討する場合、実際の検討対象は後継のLINE WORKS AiNoteになります。

後継のLINE WORKS AiNoteについては、公式に掲示されている「サービス向上のための音声データ活用について(フリープラン向け)」に、フリープランの利用時はAI技術の性能向上のために録音した音声データを利用する場合があることに同意のうえ利用する旨が記載されています。有償プランについては、料金表に「データの学習利用:学習利用なし」と記載されています。無償で使う場合と有償で使う場合とで扱いが異なる、という点が最も重要な確認事項です。

公式サイトの料金表には、チーム・ビジネス・エンタープライズの各プランについて「データの保管期間:5年間」と記載されています。フリープランの保管期間については同ページで確認できませんでした。文書管理規程で保存年限が定められている場合は、この期間との整合を先に確認しておくと導入後の手戻りを避けられます。

公式サイトには「ISO / IEC 27001, 27017, 27018, 27701, SOC2 / SOC3 取得済み」と記載されています。また管理機能として、パスワード・ログインポリシー、2段階認証、シングルサインオン、監査・ログ、モバイルアプリ向けの機能制限などが挙げられています。サーバーの所在地については当該ページでは確認できませんでした。

無料であること自体が危険なのではなく、無料で提供できる理由を確認することが重要です。クラウド型では、無償プランに限って入力データを学習に利用する条件が設定されている場合があります。学習利用そのものを発生させたくない場合は、オープンソースの音声認識を自分の端末で動かす方式であれば、無料かつ音声を外部に出さずに文字起こしできます。

その場合は、暗号化や認証の水準にかかわらず、音声を端末外に出さない方式を選ぶのが確実です。端末内で処理が完結する方式であれば、送信先・保管場所・学習利用という審査項目が構造的に「該当なし」になります。ただし保存したテキストの置き場所、共有方法、端末の紛失対策は利用者側の運用として残るため、ドライブの暗号化と保存先フォルダのアクセス権設定を組み合わせてください。

※ 本記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。具体的な事案については、自社の法務部門や弁護士など専門家にご相談ください。他社サービスの仕様・料金・規約は、当該提供元の公式情報が優先します。

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