Nottaの安全性を、公式情報で確認する

「Nottaは危ないのか」ではなく、自分の音声がどこへ行き、どこに残るかを公表されている情報で確かめる。そのうえで、そのまま使ってよい場合と、手元で処理する選択肢がある場合を分けて整理しました。

最終更新:2026年9月10日

このページの立場

本ページは、Nottaが公式サイトで公表している情報を引用・整理したものです。優劣を比較するものではなく、公式に確認できない仕様やセキュリティ上の問題を推測で書くことはしていません。確認できなかった項目は「確認できませんでした」と明記しています。記載は最終更新時点のもので、提供元の仕様や規約は変更されることがあります。判断の前に必ずNottaの公式サイトの最新の記載をご確認ください。Nottaは Notta株式会社の提供するサービスです。

まず整理する:音声はどこへ行くのか

「Nottaは安全ですか」という検索の裏にあるのは、たいていこの問いです。自分がアップロードした会議の音声は、どこへ渡り、どこに残り、誰が使えるのか。

クラウド型の文字起こしサービスは、音声を事業者のサーバーへ送って処理します。これは欠陥ではなく設計です。サーバー側の計算資源を使うから、スマートフォンでもブラウザでも同じ精度で動き、複数人で共有でき、Web会議とも連携できます。代わりに、音声が端末の外に出るという事実が必ず伴います。

したがって確認すべきことは3つに絞られます。

  1. どこに保管されるか(国内か国外か、暗号化されているか)
  2. 学習に使われるか(使われるとしたらどのプランで)
  3. そもそも外に出してよい音声か(自社の規程・守秘義務の側の問題)

1と2は公表情報で確認できます。3だけは、どのサービスを選んでも自分で判断するしかありません。以下では1と2を公式の記載から拾い、そのうえで3の判断材料を示します。リスクの所在そのものの整理は文字起こしセキュリティガイドにまとめています。

公式サイトで確認できたこと

以下は、Nottaの公式サイト(日本語・英語)に記載されている内容です。要約はしていますが、意味を変えないようにしています。出典は各行のリンク先です。

項目公式サイトの記載出典
データの保管場所 「すべてのデータは日本国内に保管されており、データは多重暗号化されて送信・保存される」と記載。バックアップデータは国内のデータセンターに保存しているとされています。 料金プランセキュリティ
通信の暗号化 HTTPSを使用し、利用者とサービス間のデータ転送を暗号化。転送されるデータ自体も対称鍵暗号化と非対称鍵暗号化の組み合わせで暗号化しているとされています。 セキュリティ
保存時の暗号化 データセンターに保存された音声・画像・テキストなどのデータはデフォルトで暗号化されており、利用者のデータを匿名で閲覧・使用することはできないとされています。 セキュリティ
第三者認証 ISO 27001、SOC 2(Type1を2022年9月29日に取得、Type2を2023年2月12日に受領と記載)、HIPAA、GDPR、APPI(個人情報保護法)、CCPAへの対応が掲げられています。 セキュリティ
社内体制 CPO(最高個人情報保護責任者)とCISO(最高情報セキュリティ責任者)で構成されるセキュリティグループを設置していると記載。 セキュリティ
音声の学習利用 プライバシーポリシーに「音声認識エンジンを提供する第三者のパートナー企業のAPIを用いて音声認識等を行います。当該パートナー企業は、お客様がご利用のプランに応じて、お客様の音声データを音声認識トレーニングに利用する場合があります」と記載。 プライバシーポリシー
「AI学習なし」の扱い 料金プランのページで、エンタープライズプランおよび士業向け特別プランの機能として「AI学習なし」が挙げられています。 料金プラン
端末内での文字起こし 英語版サイトに Privacy Mode(On-device Transcription)の説明があり、文字起こしを自分のコンピューター上で処理するためクラウド処理のために音声をアップロードする必要がない旨が記載されています。Mac版・Windows版のNotta Desktopでベータ提供とされ、メモリ4GB・CPU2コア以上などの条件も示されています。 Privacy Mode(英語)
無料プランの範囲 フリープランは文字起こし時間120分/月、1回につき3分まで、ファイルインポート50個/月、AI要約10回/月と記載。 料金プラン

※ 上表は最終更新時点で公式サイトに掲載されていた記載にもとづく整理です。金額・プラン構成・機能の提供状況は変更されることがあります。

ここまで読むと分かるとおり、「対策がされていないから危ない」という話ではありません。認証も暗号化も国内保管も公表されています。それでも社内で止まる理由は、次の2点に集約されます。

公式サイトでは確認できなかったこと

導入審査でよく問われるのに、公式サイト上で明確な記載を確認できなかった項目です。「書かれていない=問題がある」ではありません。公開の場ではなく、資料請求やサポート窓口で案内している可能性があります。

審査で問われる項目状況
音声・テキストの保管期間(具体的な日数)具体的な期間を示す記載は確認できませんでした。料金プランの比較表には「自動削除」という項目があります。
解約後・アカウント削除後のデータの扱い公式サイト上では確認できませんでした。
音声認識を担う第三者パートナーの具体名公表されていません。
Privacy Mode(端末内処理)の対象プラン英語版の機能ページで対象プランの記載は確認できませんでした。

Nottaのセキュリティページには、経済産業省のセキュリティチェックシートの形式に準拠した自社セキュリティシートを配布している旨が案内されています。上記のような項目を稟議で示す必要がある場合は、まずその資料を取り寄せ、足りない項目を提供元に直接確認するのが最短です。

いちばん効くのは「自分のプランの条文を読む」こと

Nottaに限らず、クラウド型の文字起こしサービスでもっとも扱いが分かれるのが学習利用です。そしてこれは、多くの場合プランごとに条件が違います。

Nottaのプライバシーポリシーは、音声認識を担う第三者のパートナー企業が「お客様がご利用のプランに応じて」音声データを音声認識トレーニングに利用する場合があると明記しています。同時に、料金プランのページではエンタープライズプランと士業向け特別プランの機能として「AI学習なし」が挙げられています。

つまり、「Nottaは学習に使うのか」という問いには、プランを特定しないと答えが出ません。無料で試したときの条件と、法人契約後の条件が同じとは限らない、という一般則がここでも当てはまります。確認の手順はシンプルです。

  1. 自分(自社)が実際に使うプラン名を確定する。
  2. そのプランについて、学習利用の有無を規約の条文で確認する。読み取れなければ提供元に問い合わせる。
  3. 回答を文書で残す。稟議・監査で必要になるのは口頭の説明ではなく記録です。

この3ステップは、どのクラウド型サービスを選ぶ場合でも共通です。クラウド型を使う前に確認する7項目もあわせてご覧ください。

そのまま使って問題ない条件

次のすべてに当てはまるなら、クラウド型を使い続けることに合理性があります。無理に方式を変える必要はありません。

この条件下では、クラウド型の利点(どの端末からでも使える、共有が速い、Web会議と連携できる)がそのまま効きます。安全性を理由に乗り換える必然性はありません。

手元で処理する選択肢を検討したい条件

逆に、次のいずれかに当てはまるなら、対策の水準にかかわらず「外部送信そのものが認められない」ため、端末内で完結する方式を選択肢に入れる価値があります。

ここで重要なのは、これは優劣の話ではないということです。「対策を講じている」ことと「そもそも該当しない」ことは、監査に対する説明の性質が違うだけです。前者で通る組織もあれば、後者しか通らない組織もあります。

使い分けという落としどころ

実務でいちばん多い着地は、乗り換えではなく使い分けです。

音声の種類現実的な処理方法
社内定例・勉強会・公開前提の講演クラウド型のまま。共有と検索の速さが効く
取材・インタビュー(公開予定)クラウド型のまま。ただし公開前の原稿の扱いは別途管理
人事面談・評価会議端末内で完結する方式に寄せる
顧客の相談・診療・法務相談端末内で完結する方式に寄せる
取引先との契約交渉契約条項を確認したうえで判断。不明なら端末内

ツールを1本に統一することよりも、「外に出してはいけない音声が、確実に外に出ない状態」をつくるほうが監査上も説明しやすくなります。ちなみに、文字起こしを端末内で行っても、要約だけクラウドの生成AIに貼り付けると、そこで本文が外に出ます。ここは見落とされやすい経路です(ローカルAI要約ガイド)。

端末内で完結させる場合の選択肢

「手元で処理する」を選ぶ場合、選択肢は大きく2つです。オープンソースの音声認識を自分で環境構築して動かすか、それを組み込んだソフトを使うか。前者の手順と必要なものはローカル文字起こしガイドにまとめています。

当サイトで提供している「完全ローカル文字起こし」は後者にあたるWindows向けソフトです。事実関係のみ記載します。

音声ファイルをPC内だけで文字起こしし、結果を一覧・検索できるソフトのメイン画面
録音・文字起こし・要約をすべてPC内で完結させる例(完全ローカル文字起こし)

情報システム部門への申請に使える回答例(送信先・保管場所・学習利用・オフライン動作など)はセキュリティガイドの審査項目に、法人での導入条件は法人向けページにまとめています。

よくある質問

安全かどうかは、扱う音声の機密度と、社内規程で音声を外部に出せるかどうかで決まります。Nottaの公式サイトには、ISO 27001認証やSOC 2保証報告書の取得、通信および保存時の暗号化、すべてのデータを日本国内に保管する旨が記載されています。一方で、音声を事業者のサーバーへ送る方式である以上、外部送信そのものが規程で認められない情報には使えません。判断材料は、公式に公表されている情報と、自社の規程の両方です。

Nottaのプライバシーポリシーには、音声認識エンジンを提供する第三者のパートナー企業が、利用するプランに応じて音声データを音声認識トレーニングに利用する場合がある旨が記載されています。また料金プランのページでは、エンタープライズプランおよび士業向け特別プランの機能として「AI学習なし」が挙げられています。つまり扱いはプランによって異なるため、自分が契約しているプランでどうなるかを、利用規約の条文またはNottaのサポートで確認するのが確実です。

Nottaの公式サイトには「すべてのデータは日本国内に保管されており、データは多重暗号化されて送信・保存される」と記載されています。またセキュリティページには、バックアップデータを国内のデータセンターに保存している旨の記載があります。越境移転の観点を審査で問われる場合は、この記載と、必要に応じて提供元が配布しているセキュリティチェックシートが根拠資料になります。

Nottaの英語版サイトには、デスクトップ版の機能としてPrivacy Mode(On-device Transcription)が掲載されており、文字起こしを自分のコンピューター上で処理し、クラウドへ音声をアップロードする必要がない旨が説明されています。同ページではMac版・Windows版のNotta Desktopでベータ提供とされ、対応言語や必要スペックの条件も示されています。日本語版サイトの同じ内容のページは確認できませんでした。利用可能なプランについても記載を確認できなかったため、業務で前提にする場合はNottaに直接確認してください。

音声とテキストの保管期間について、具体的な日数を示す記載は公式サイト上で確認できませんでした。料金プランの比較表には「自動削除」という項目があります。保管期間と削除の扱いを社内審査で問われる場合は、利用規約の該当条文か、提供元のサポート窓口で確認した回答を根拠として残しておくことをおすすめします。

できます。実務では、公開前提の講演録や社内定例はクラウド型で手早く処理し、人事・法務・診療・顧客の相談内容など外部に出せない音声だけ端末内で完結する方式に回す、という使い分けが現実的です。ツールを1つに統一することよりも、機密度の高い音声が外に出ない状態を確実につくることのほうが、監査上も説明しやすくなります。

※ 本記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。具体的な事案については、自社の法務部門や弁護士など専門家にご相談ください。他社サービスの仕様・料金・規約は、当該提供元の公式情報が優先します。

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