Buzzの文字起こしは安全か

結論から言うと、Buzzの文字起こしは利用者のパソコンの中で動きます。音声を事業者のサーバーへ送る方式ではありません。ただし、それで審査が終わるわけではない。公式情報で確認できることと、端末内でも残るリスクを分けて整理しました。

最終更新:2026年9月20日

このページの立場

本ページは、Buzzの公式リポジトリ・公式ドキュメントに記載されている情報を整理したものです。優劣を比較するものではなく、公式に確認できない仕様を推測で書くことはしていません。確認できなかった項目は「確認できませんでした」と明記しています。記載は最終更新時点のもので、仕様は変更されることがあります。判断の前に必ずBuzzの公式リポジトリの最新の記載をご確認ください。Buzzは第三者が開発するオープンソースソフトウェアであり、当サイトとは関係ありません。

結論:音声は端末から出ない

「Buzzは安全ですか」という検索の裏にある問いは、たいてい「自分がアップロードした会議の音声は、どこへ渡り、どこに残るのか」です。

Buzzについては、この問いへの答えははっきりしています。公式リポジトリのREADMEに、音声の文字起こしと翻訳を利用者のパソコン上でオフラインに行う旨が記載されています。つまり、音声は端末の外に出ません。

クラウド型の文字起こしサービスで論点になる「送信先はどこか」「保管期間は何日か」「学習に使われるか」は、端末内で処理する方式ではそもそも該当しません。稟議で毎回この3つを説明しているなら、その手間は消えます。

ただし、それで安全の話が終わるわけではありません。端末内で完結する方式には、クラウド型とは別のリスクと、別の止まり方があります。以下ではまず公式に確認できる事実を並べ、そのうえで残るリスクを整理します。リスクの所在そのものの全体像は文字起こしセキュリティガイドにまとめています。

録音した音声の行き先を比べた図。クラウド型は音声を事業者のサーバーへ送って処理するため、保管先・学習利用・そもそも外に出してよい音声かの3点を確認する必要がある。端末内で完結する方式は音声が端末の外に出ないため、保管先と学習利用は「該当なし」になる
図は横にスクロールできます

公式情報で確認できたこと

項目公式情報の記載出典
ライセンスMIT ライセンス。公式リポジトリ
処理の場所READMEに、音声の文字起こしと翻訳を利用者のパソコン上でオフラインに行う旨(Transcribe and translate audio offline on your personal computer)が記載されています。公式リポジトリ
音声認識エンジンOpenAI の Whisper を利用。Whisper.cpp や Hugging Face の Transformer 系モデルなど、複数のバックエンドに対応していると記載されています。公式リポジトリ
高速化Nvidia GPU向けのCUDA、MacのApple Silicon、多くのGPUで使える Vulkan による高速化に対応していると記載されています。公式リポジトリ
対応OSmacOS(Apple Silicon)、Windows、Linux(Flatpak / Snap / AppImage)、PyPI 経由のインストールに対応と記載されています。公式リポジトリ
モデルの選択ドキュメントに、品質設定として Tiny / Base / Small / Medium の4段階が示されています。公式ドキュメント
できる処理ドキュメントに、文字起こし(Transcribe)と英語への翻訳(Translate)が示されています。公式ドキュメント
費用無償で配布されています。公式リポジトリ

※ 上表は最終更新時点で公開されていた記載にもとづく整理です。オープンソースのため、仕様は更新のたびに変わることがあります。

公式情報では確認できなかったこと

導入審査でよく問われるのに、公式の記載を確認できなかった項目です。「書かれていない=欠陥」ではありません。無償で配布されているオープンソースでは、そもそも提供されない種類のものが含まれます。

審査で問われる項目状況
外部のAPIを使う選択肢の有無最終更新時点で参照したドキュメントの範囲では、音声を外部のAPIへ送る選択肢についての記載は確認できませんでした。バージョンによって選択肢が変わる可能性があるため、業務で前提にする場合は利用中の版の設定画面を実際に確認してください。
日本語のサポート窓口公式リポジトリ・公式サイト上では確認できませんでした。不具合の報告はGitHubのIssueで行う形です。
障害時の保証・応答時間の取り決め記載は確認できませんでした。MITライセンスの条文は、ソフトウェアを「現状有姿(AS IS)」で提供し、いかなる保証も行わない旨を定めています。
請求書・適格請求書(インボイス)の発行無償で配布されているため、そもそも請求という行為がありません。
商用利用時の責任の所在MITライセンスは、著作権者が損害について責任を負わない旨を定めています。業務で使う場合、不具合や情報事故の責任は利用者側に残ります。

ローカルでも残るリスク

音声が端末から出なくても、次の経路は残ります。これはBuzzに限らず、端末内で処理するすべての方式に共通します。

業務で使うときに止まりやすい2点

技術的には問題がなくても、社内手続きの側で止まることがあります。よくあるのは次の2つです。

  1. 無保証であること。MITライセンスは、ソフトウェアを「現状有姿(AS IS)」で提供し、明示・黙示を問わずいかなる保証もしない旨、そして著作権者は損害について責任を負わない旨を定めています。情報事故が起きたとき、請求する相手がいません。
  2. 請求書が出ないこと。無償なので当然ですが、経費計上や資産計上ができず、「何を使っているか」を会計上の記録として残せません。ソフトウェア資産の棚卸しをしている組織では、ここで一度止まります。

どちらもオープンソースの設計上当たり前のことで、欠陥ではありません。個人の作業や検証では、この2点はまったく問題になりません。問題になるのは、組織として導入し、稟議と監査を通す段になってからです。

同じ「端末内で完結」を、保証つきで使う選択肢

Buzzを使っていて困っていないなら、変える必要はありません。音声が端末から出ないという一番大事な性質は、すでに満たされています。

当サイトで提供している「完全ローカル文字起こし」は、同じく端末内で完結するWindows向けソフトです。違うのは、音声の扱いではなく、その周りです。事実関係のみ記載します。

音声ファイルをPC内だけで文字起こしし、結果を一覧・検索できるソフトのメイン画面
録音・文字起こし・要約をすべてPC内で完結させる例(完全ローカル文字起こし)

情報システム部門への申請に使える回答例はセキュリティチェックシート回答集に、法人での導入条件は法人向けページにまとめています。ほかのツールについても公式情報だけを整理した個別ページがあります:Whisperをローカルで使う場合WhisperXをローカルで使う場合Vibeの安全性文字起こしさんの安全性Nottaの安全性

よくある質問

公式リポジトリのREADMEには、音声の文字起こしと翻訳を利用者のパソコン上でオフラインに行う旨が記載されています。音声を事業者のサーバーへ送る方式ではないため、クラウド型で論点になる送信先・保管期間・学習利用は該当しません。一方で、端末の紛失や、出力先フォルダがクラウド同期の対象になっている場合など、別の経路のリスクは残ります。また、MITライセンスは無保証を定めているため、業務利用では責任の所在を自社で引き受けることになります。

文字起こしの処理そのものは端末内で行われると記載されています。ただし、音声認識モデルは初回に配布元のサーバーからダウンロードする必要があります。これは音声を送る通信ではありませんが、ネットワークが完全に遮断された端末では、別のPCで取得して持ち込む手順が必要になります。

MITライセンスは商用利用を許諾しています。ただし同じライセンスが、ソフトウェアを現状有姿(AS IS)で提供し、いかなる保証も行わないこと、著作権者は損害について責任を負わないことを定めています。業務で使う場合、不具合や情報事故の責任は利用者側に残ります。

無償で配布されているため、請求という行為がありません。経費計上や資産計上を前提にする場合は、有償で提供されているソフトウェアを検討することになります。

音声が端末から出ないという点は同じです。違うのは周辺で、モデルを同梱している場合は初回のダウンロードが不要なため、ネットワークに一度もつながっていない端末でも持ち込んでそのまま動きます。ほかに、日本語の問い合わせ窓口があるか、請求書が出るか、専門用語の自動学習のような業務向けの機能があるか、といった違いがあります。

文字起こし自体はオフラインで動作すると記載されていますが、音声認識モデルの初回取得には外部通信が必要です。閉域網で使う場合は、別の端末でモデルを取得して持ち込む運用になります。「一切通信しない」と説明する必要がある場合は、この点を確認したうえで書いてください。

※ 本記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。具体的な事案については、自社の法務部門や弁護士など専門家にご相談ください。他社ソフトウェアの仕様・ライセンスは、当該提供元の公式情報が優先します。

ローカルのまま、手間だけ省く

環境構築も、モデルのダウンロードも要りません。

ZIPを展開して起動するだけ。オフライン動作・外部送信ゼロ。個人利用は無料です(Windows版)。

無料ダウンロード 製品詳細