文字起こしソフト比較 2026年版|ローカル型・クラウド型の違いと失敗しない選び方

文字起こしソフトを比較する際にまず決めるべき5つの基準と、代表的なツールの機能・料金・セキュリティ対応を一覧で整理。ローカル型とクラウド型のどちらを選ぶべきか、用途別のおすすめもご紹介します。

最終更新:2026年9月11日

この記事の要点

  • 文字起こしソフトは大きくローカル型(PC内で完結)とクラウド型(サーバーへ送信)に分かれ、最重要の選定基準は「音声データを送信するかどうか」である。
  • クラウド型SaaSの料金は月3,000〜10,000円程度が一般的で、ローカル型の完全ローカル文字起こしは個人無料・商用は月額500円/年額5,000円/買い切り15,000円。
  • Notta・CLOVA Note・Rimo Voice・ユーザーローカル音声議事録システムはクラウド型、完全ローカル文字起こし・MacWhisper・kotoba-whisperはローカル型に分類される。
  • クラウド送信が禁止された医療・法務・IT等の業種では、機能の多寡にかかわらずローカル型が必須になる。
  • 手作業なら録音1時間あたり3〜5時間かかる書き起こしも、ツールを使えば確認・編集込みで約1.5時間に短縮できる。

文字起こしソフトの選び方:まず決める5つの基準

文字起こしソフトとは、音声や動画に含まれる発言をAIが自動でテキストに変換するソフトウェア・サービスの総称です。無料のものから月額数千円のものまであり、処理をPC内だけで完結させるものと、クラウドのサーバーで処理するものに大きく分かれます。比較を始める前に、まず次の5つの基準で自社の要件を整理しておくと選びやすくなります。

①音声データの行き先(ローカル完結かクラウド送信か)

情シスが確認する質問:「録音データや文字起こし結果は社外のサーバーに送信されますか。送信される場合、保存先・保存期間・第三者提供の有無は公式サイトに明記されていますか。」音声を外部に出せない業務では、この1点だけで選択肢が絞られます。

②費用体系(無料/定額/従量)

情シスが確認する質問:「料金は文字起こし時間に応じた従量課金ですか、それとも月額・買い切りの定額ですか。無料プランには時間や文字数の上限がありますか。」長時間・大量の音声を扱うほど、従量課金は総額が読みにくくなります。

③導入のしやすさ(インストール可否・GPU要否)

情シスが確認する質問:「PCへのインストールや管理者権限は必要ですか。GPUが無いと動作しない、または極端に遅くなりませんか。」インストール不要かつGPU不要なソフトほど、社用PCへの展開や情シスの審査がスムーズに進みます。

④機能(話者識別・要約・単語登録・字幕出力)

情シスが確認する質問:「誰の発言かを自動で見分ける話者識別、内容を短くまとめる要約、専門用語を補正する単語登録、SRT字幕への出力に対応していますか。」議事録用途では話者識別と要約、動画用途では字幕出力の有無が選定の分かれ目になります。

⑤運用(自動処理・オフライン・更新)

情シスが確認する質問:「音声ファイルを入れるだけで自動的に処理が始まりますか。ネットワークが無い環境でもフル機能で使えますか。アップデートは利用者の意思で行えますか、それとも起動時に自動で通信しますか。」日常的な運用のしやすさは、導入後の定着に直結します。

ローカル型とクラウド型の違い

結論として、クラウドへの送信自体が許されない業務ではローカル型一択になり、送信に問題がなく話者識別・要約などの機能を優先したい場合はクラウド型も候補になります。両者の違いを表に整理しました。

観点ローカル型クラウド型
音声データの送信送信しない(PC内で完結)サーバーへ送信して処理
オフライン利用可能不可(通信が必要)
料金無料〜買い切り・定額が中心従量課金・月額が中心
話者識別・要約ツールにより対応が分かれる充実していることが多い
処理速度PC性能に依存サーバー側で安定
情報漏えいリスク送信しない分、構造的に小さい送信・保管に伴うリスクがある
社内規程・業界ガイドラインへの適合クラウド送信禁止の規程でも利用しやすい規程によっては利用不可の場合がある

より詳しい仕組みや無料での始め方はローカル文字起こしガイド、セキュリティ観点の深掘りは文字起こしセキュリティガイドで解説しています。

主要ツールの機能比較表

代表的な文字起こしツールの機能を横並びで整理しました。自社は2026年9月・Ver.4.5.5時点、他社は2025年6月時点・自社調べです。各サービスの最新仕様は公式サイトでご確認ください。

ツール名 完全ローカル インストール不要 GPU不要 アラインメント機能 キュー処理 話者識別 要約機能 単語機能 セキュリティ対応 備考
完全ローカル文字起こし faster-whisperベース。文字起こしから要約・AIチャットまでPC内で完結。マイク1本で録った音声でも話者を聞き分け(Ver.4.5.0〜)。
Notta クラウド型。話者識別・要約・単語登録に対応。
CLOVA Note クラウド型。話者分離・単語登録(500語)に対応。
Rimo Voice クラウド型。AI要約・話者識別・辞書登録(800語)。
ユーザーローカル音声議事録システム クラウド型。話者識別・要約・単語登録・感情分析等。
MacWhisper Mac専用。話者識別(v12~)。全処理ローカル。
kotoba-whisper 日本語特化OSS。話者分離対応。全処理ローカル。

比較時点は自社2026年9月・Ver.4.5.5、他社2025年6月です。料金・機能は変更されることがあるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

各ツールの概要は次のとおりです(上表・備考の範囲内の内容です)。

完全ローカル文字起こしのメイン画面。フォルダに音声を入れるだけで自動的に文字起こしされ、結果が一覧で確認できる
ローカル型ソフトの例:完全ローカル文字起こしのメイン画面

用途別のおすすめ

基準と比較表を踏まえ、代表的な用途別におすすめの方向性を整理します。

費用シミュレーション

結論として、クラウド型SaaSは月3,000〜10,000円程度が一般的で、完全ローカル文字起こしは個人利用が無料、商用は月額500円・年額5,000円・買い切り15,000円です。人数別の年間コストの目安は次のとおりです。

利用人数クラウド型SaaS(目安)完全ローカル文字起こし(商用)
1名・年間年36,000円〜120,000円(月3,000〜10,000円×12ヶ月)年5,000円(年額プラン)または買い切り15,000円(1ライセンス)
5名・年間年180,000円〜600,000円(1人あたり月3,000〜10,000円×5人×12ヶ月と仮定)年25,000円(年額5,000円×5ライセンス)または買い切り75,000円(15,000円×5ライセンス)

※ クラウド型の料金は1人あたりの月額を人数分単純計算した目安で、実際の料金体系はサービスにより異なります。個人利用の場合、完全ローカル文字起こしは無料です。

工数の面では、手作業の書き起こしは録音1時間あたり3〜5時間かかるのが一般的です。完全ローカル文字起こしでは自動で文字起こしが進むため、確認・編集を含めても約1.5時間に短縮できます。

導入前チェックリスト

比較・選定を進める前に、次の8項目を確認しておくと導入後の手戻りを防げます。

よくある質問

クラウド型・ローカル型のどちらにも無料で使えるものがあります。たとえば完全ローカル文字起こしは個人利用が無料で、商用・法人利用のみビジネスプラン(月額500円など)が必要です。クラウド型の中にも無料プランを設けているサービスがありますが、時間や文字数に上限があることが多いため、詳しい条件は各社の公式サイトでご確認ください。

特定の製品が一番安全と断定することはできませんが、一般論としては、音声データを外部に送信しないローカル型は、通信の傍受やクラウド側からの情報漏えいといったリスクを構造的に排除できるため、送信の有無を重視するなら安全性の面で有利です。「安全」の基準は業種の規程や扱うデータの機密度によって異なるため、各社の公式情報やセキュリティチェックシートなどで確認することをおすすめします。

Windowsで使えるツールとして、クラウド型ではNotta・Rimo Voice・ユーザーローカル音声議事録システムなど(ブラウザから利用)が、ローカル型では完全ローカル文字起こしがあります(MacWhisperはMac専用、CLOVA Noteβは2025年7月31日に終了しています)。インストール不要でWindowsですぐに試したい場合は、環境構築が不要なソフトを選ぶとよいでしょう。

会議の音声を録音してから文字起こしする方法と、会議中にリアルタイムで文字起こしする方法があります。完全ローカル文字起こしはアプリ内の「録音」でマイクとPC内音声(Teams・Zoom・Google Meetなどの相手の声)を選んで録音しながら、リアルタイムに文字起こしできます。外部ツールを追加せずに完結する手順は、Web会議の文字起こしガイドで解説しています。

できます。完全ローカル文字起こし・MacWhisper・kotoba-whisperなどのローカル型ツールは話者識別に対応しています。要約についても、完全ローカル文字起こしはVer.4.0.0からローカルLLMによる要約機能を内蔵しており、要約までPC内で完結します。詳しくはローカルAI要約ガイドを参照してください。

音声データの送信先、料金体系(従量課金か定額か)、GPUなどの動作要件、話者識別・要約などの必要機能、そして社内規程やクラウド送信の可否です。詳細な確認項目はセキュリティチェックシートにまとめています。
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