文字起こしソフト比較 2026年版|ローカル型・クラウド型の違いと失敗しない選び方

文字起こしソフトを比較する際にまず決めるべき5つの基準と、代表的なツールの機能・料金・セキュリティ対応を一覧で整理。ローカル型とクラウド型のどちらを選ぶべきか、用途別のおすすめもご紹介します。

最終更新:2026年10月17日

この記事の要点

  • 文字起こしソフトは大きくローカル型(PC内で完結)とクラウド型(サーバーへ送信)に分かれ、最重要の選定基準は「音声データを送信するかどうか」である。
  • クラウド型SaaSの料金は、1アカウント課金で月1,185円(年払い換算)〜6,600円(税込)、利用時間枠の定額型で月19,800円〜(税抜)などが公式の例で、ローカル型の完全ローカル文字起こしは個人無料・商用は月額500円/年額5,000円/買い切り15,000円。
  • Notta(デスクトップ版に端末内処理のプライバシーモードがあるが、対象プランは公式で確認できず)・LINE WORKS AiNote・Rimo Voice・文字起こしさん・ユーザーローカル音声議事録システムはクラウド型が標準、完全ローカル文字起こし・MacWhisper・kotoba-whisperはローカル型に分類される。
  • クラウド送信が禁止された医療・法務・IT等の業種では、機能の多寡にかかわらずローカル型が必須になる。
  • 手作業の書き起こしは録音時間の数倍かかる。ツールで下書きを自動化すれば、人は確認・修正に集中できる。

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文字起こしソフトの選び方:まず決める5つの基準

文字起こしソフトとは、音声や動画に含まれる発言をAIが自動でテキストに変換するソフトウェア・サービスの総称です。無料のものから月額数千円のものまであり、処理をPC内だけで完結させるものと、クラウドのサーバーで処理するものに大きく分かれます。比較を始める前に、まず次の5つの基準で自社の要件を整理しておくと選びやすくなります。

①音声データの行き先(ローカル完結かクラウド送信か)

情シスが確認する質問:「録音データや文字起こし結果は社外のサーバーに送信されますか。送信される場合、保存先・保存期間・第三者提供の有無は公式サイトに明記されていますか。」音声を外部に出せない業務では、この1点だけで選択肢が絞られます。

②費用体系(無料/定額/従量)

情シスが確認する質問:「料金は文字起こし時間に応じた従量課金ですか、それとも月額・買い切りの定額ですか。無料プランには時間や文字数の上限がありますか。」長時間・大量の音声を扱うほど、従量課金は総額が読みにくくなります。

③導入のしやすさ(インストール可否・GPU要否)

情シスが確認する質問:「PCへのインストールや管理者権限は必要ですか。GPUが無いと動作しない、または極端に遅くなりませんか。」インストール不要かつGPU不要なソフトほど、社用PCへの展開や情シスの審査がスムーズに進みます。

④機能(話者識別・要約・単語登録・字幕出力)

情シスが確認する質問:「誰の発言かを自動で見分ける話者識別、内容を短くまとめる要約、専門用語を補正する単語登録、SRT字幕への出力に対応していますか。」議事録用途では話者識別と要約、動画用途では字幕出力の有無が選定の分かれ目になります。

⑤運用(自動処理・オフライン・更新)

情シスが確認する質問:「音声ファイルを入れるだけで自動的に処理が始まりますか。ネットワークが無い環境でもフル機能で使えますか。アップデートは利用者の意思で行えますか、それとも起動時に自動で通信しますか。」日常的な運用のしやすさは、導入後の定着に直結します。

ローカル型とクラウド型の違い

結論として、クラウドへの送信自体が許されない業務ではローカル型一択になり、送信に問題がなく話者識別・要約などの機能を優先したい場合はクラウド型も候補になります。両者の違いを表に整理しました。

観点ローカル型クラウド型
音声データの送信送信しない(PC内で完結)サーバーへ送信して処理
オフライン利用可能不可(通信が必要)
料金無料〜買い切り・定額が中心従量課金・月額が中心
話者識別・要約ツールにより対応が分かれる充実していることが多い
処理速度PC性能に依存サーバー側で安定
情報漏えいリスク送信しない分、構造的に小さい送信・保管に伴うリスクがある
社内規程・業界ガイドラインへの適合クラウド送信禁止の規程でも利用しやすい規程によっては利用不可の場合がある

より詳しい仕組みや無料での始め方はローカル文字起こしガイド、セキュリティ観点の深掘りは文字起こしセキュリティガイドで解説しています。

録音した音声の行き先を比べた図。クラウド型は音声を事業者のサーバーへ送って処理するため、保管先・学習利用・そもそも外に出してよい音声かの3点を確認する必要がある。端末内で完結する方式は音声が端末の外に出ないため、保管先と学習利用は「該当なし」になる
図は横にスクロールできます

主要ツールの機能比較表

代表的な文字起こしツールの機能を横並びで整理しました。自社は2026年10月・Ver.4.8 系時点、他社は各社公式サイト・ヘルプの記載(自社調べ)です。確認日は表の下に記載しています。各サービスの最新仕様は公式サイトでご確認ください。

表の見方:「✅」は対応、「△」は条件つきの対応(備考参照)、「―」は非対応または公式情報で確認できなかった項目です。「第三者認証の公表」は、公式サイトに ISO/IEC 27001 などの第三者認証の取得が記載されているかを示し、「○」は記載あり、「―」は記載を確認できなかった場合です。端末内で完結するローカル型は通信を伴わないため、この列の有無と安全性は別の話です。

ツール名 完全ローカル 対応OS 話者識別 要約 単語登録 第三者認証の公表 料金の例 備考
完全ローカル文字起こし(自社) ✅ Windows 10/11(Mac・スマホ非対応) ✅ ✅ ✅ ―(記載なし) 個人無料/商用 月500円・年5,000円・買い切り15,000円 faster-whisperベース。インストーラ不要・GPU不要。文字起こしから要約・AIチャットまでPC内で完結。マイク1本で録った音声でも話者を聞き分け(Ver.4.5.0〜)。
Notta △ ブラウザ/Windows・Mac デスクトップ版(ベータ) ✅ ✅ ✅ ○(SOC 2 等) 無料あり/有料はプレミアム 月1,185円〜(年払い・税込) クラウド型が標準。デスクトップ版(ベータ)に、端末内で文字起こしする「プライバシーモード」がある。対象プランは公式で確認できず。
LINE WORKS AiNote(旧 CLOVA Note) ― ブラウザ ✅ ✅ ✅ ○(ISO/IEC 27001 等) 無料あり/チーム 月19,800円〜(年契約・税抜) クラウド型。CLOVA Noteβ(2025年7月終了)の後継。AI要約は有償プランで対応。有償プランは学習利用なし、無料プランは音声を品質向上に使う場合がある旨が記載。
Rimo Voice ― ブラウザ ✅ ✅ △ ○(ISO/IEC 27001・27017) プロ 月4,950円/チーム 月6,600円(税込) クラウド型(国内保管と記載)。AI要約はプロプラン以上。単語登録は定額・法人向けプランで利用可(公式オプションページに初期設定費の記載あり)。AI学習は全プランでオフと記載。
文字起こしさん ― ブラウザ ― △ ― ―(外部認証はないと記載) 無料会員は1日10分まで/有料プランの金額は公式トップで確認できず クラウド型(保管先は Google Cloud と記載)。AI要約・議事録の作成に対応と記載(無料・有料の別は確認できず)。話者識別・単語登録は公式情報で確認できず。
Vrew ― PC用アプリ ― ― ― ○(ISO/IEC 27001・27701) Free/Light/Standard/Business の4種(クレジット制。金額は今回確認できず) 動画編集ソフト。自動字幕が主用途。音声認識は Google・AWS の STT API を使うと記載(端末外のクラウド処理)。話者識別・要約・単語登録は公式情報で確認できず。
ユーザーローカル音声議事録システム ― ブラウザ △ ― ― ― 無料 無料のWebサービス(ブラウザ利用)。会議URLを共有し、参加者ごとのブラウザから発言を記録する方式。感情認識・ワードクラウド・CSV出力に対応。要約・単語登録は公式情報で確認できず。
MacWhisper ✅ Mac ✅ ✅ △ ― 無料版あり/Pro 64ユーロ買い切り(公式サイト表記) Mac用アプリ。文字起こしは端末内で実行(クラウド・外部AI連携も選べる)。話者識別・要約・バッチ処理・フォルダ監視に対応(無料版とProの別は確認できず)。置換辞書は文字起こし後の置換。
kotoba-whisper ✅ Python環境 △ ― ― ― 無料(Apache-2.0) 日本語特化のOSSモデル。話者分離は v2.2 のみ(pyannote の利用条件への同意が必要)。GPU必須の記載はないが、CPUでの速度の目安は公式に記載なし。

確認日:自社は2026年10月・Ver.4.8 系。他社の個別ページがあるサービスは各ページの記載の確認日に従い、MacWhisper・kotoba-whisper は2026年10月17日です。ユーザーローカル音声議事録システムは公式ページを今回再確認できなかったため、2026年10月2日時点の記載です。料金・機能は変更されることがあるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

各ツールの概要と、公式情報を整理した個別ページです(上表の範囲内の内容です)。

完全ローカル文字起こしのメイン画面。フォルダに音声を入れるだけで自動的に文字起こしされ、結果が一覧で確認できる
ローカル型ソフトの例:完全ローカル文字起こしのメイン画面

用途別のおすすめ

基準と比較表を踏まえ、代表的な用途別におすすめの方向性を整理します。

クラウド型をそのまま使ってよい条件と、端末内で完結する方式を検討したい条件を並べた図。外部に預けても差し支えない内容で規程上も許可されているなら前者、規程や契約で外部送信が禁止されている・守秘義務や要配慮個人情報を扱う・閉域網で使うなら後者
図は横にスクロールできます

費用シミュレーション

結論として、クラウド型SaaSの公式料金の例は、1アカウント課金で月1,185円(Notta プレミアム・年払い換算)〜6,600円(Rimo Voice チームプラン)(いずれも税込)、利用時間枠の共有型で月19,800円〜(LINE WORKS AiNote チーム・年契約・税抜)です。完全ローカル文字起こしは個人利用が無料、商用は月額500円・年額5,000円・買い切り15,000円です。人数別の年間コストの目安は次のとおりです。

利用人数クラウド型SaaS(目安)完全ローカル文字起こし(商用)
1名・年間年およそ14,000円〜79,000円(1アカウント課金・月1,185〜6,600円×12ヶ月)年5,000円(年額プラン)または買い切り15,000円(1ライセンス)
5名・年間年およそ71,000円〜396,000円(1アカウント課金・月1,185〜6,600円×5人×12ヶ月と仮定)年25,000円(年額5,000円×5ライセンス)または買い切り75,000円(15,000円×5ライセンス)

※ クラウド型の料金は、公式の月額(Notta は年払い換算、いずれも税込)を人数分単純計算した目安で、プランごとの機能・利用時間の上限は異なります。個人利用の場合、完全ローカル文字起こしは無料です。

工数の面では、手作業の書き起こしには録音時間の数倍の時間がかかるのが一般的です。自動で文字起こしを進めれば、人は確認・修正に集中できます。

2〜9名はお見積りなしでカード決済でそのままお申し込みいただけます。10名以上・請求書払い(銀行振込)・見積書が必要な場合は導入相談フォームから、買い切り(永続ライセンス)のお見積りはこちらからご依頼ください。稟議に添付できる1ページ資料(PDF)もあります。

導入前チェックリスト

比較・選定を進める前に、次の9項目を確認しておくと導入後の手戻りを防げます。

よくある質問

クラウド型・ローカル型のどちらにも無料で使えるものがあります。たとえば完全ローカル文字起こしは個人利用が無料で、商用・法人利用のみビジネスプラン(月額500円など)が必要です。クラウド型の中にも無料プランを設けているサービスがありますが、時間や文字数に上限があることが多いため、詳しい条件は各社の公式サイトでご確認ください。

特定の製品が一番安全と断定することはできませんが、一般論としては、音声データを外部に送信しないローカル型は、通信の傍受やクラウド側からの情報漏えいといったリスクを構造的に排除できるため、送信の有無を重視するなら安全性の面で有利です。「安全」の基準は業種の規程や扱うデータの機密度によって異なるため、各社の公式情報やセキュリティチェックシートなどで確認することをおすすめします。

Windowsで使えるツールとして、クラウド型ではNotta・Rimo Voice・ユーザーローカル音声議事録システムなど(ブラウザから利用)が、ローカル型では完全ローカル文字起こしがあります(MacWhisperはMac専用、CLOVA Noteβは2025年7月31日に終了しています)。インストール不要でWindowsですぐに試したい場合は、環境構築が不要なソフトを選ぶとよいでしょう。

会議の音声を録音してから文字起こしする方法と、会議中にリアルタイムで文字起こしする方法があります。完全ローカル文字起こしはアプリ内の「録音」でマイクとPC内音声(Teams・Zoom・Google Meetなどの相手の声)を選んで録音しながら、リアルタイムに文字起こしできます。外部ツールを追加せずに完結する手順は、Web会議の文字起こしガイドで解説しています。

できます。完全ローカル文字起こし・MacWhisper・kotoba-whisperなどのローカル型ツールは話者識別に対応しています。要約についても、完全ローカル文字起こしはVer.4.0.0からローカルLLMによる要約機能を内蔵しており、要約までPC内で完結します。詳しくはローカルAI要約ガイドを参照してください。

音声データの送信先、料金体系(従量課金か定額か)、GPUなどの動作要件、話者識別・要約などの必要機能、そして社内規程やクラウド送信の可否です。詳細な確認項目はセキュリティチェックシートにまとめています。完全ローカル文字起こしの場合、導入検証は2週間無料で、請求書払い・見積書・稟議用資料に対応しています。
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